車に乗らないとバッテリーは何日で上がる?長期休暇前の対策と電圧チェック

車に長く乗らないとバッテリーが上がるのは、止まっている間もナビや時計などが少しずつ電気を使い続けるためです。単純計算では1〜3か月ほどが目安ですが、もともと充電が足りていない車はもっと早く上がります。

お盆や年末年始の長期休暇が明けると、駐車場で「エンジンがかからない」という車をよく見かけます。JAFのロードサービス出動理由(2025年度)でも、一般道の出動理由の1位はバッテリー上がりです。乗っていないのに、なぜ電気がなくなるのでしょうか。

この記事では、羽村市の中古車店「くるまやミライ」の元VW販売員が、乗らない間にバッテリーが上がる仕組みと何日くらいで上がるのかの目安、休暇前にできる対策、電圧で状態を確かめる方法、上がってしまったときの対処を解説します。

乗っていないのにバッテリーが上がる理由

エンジンを止めてキーを抜いても、車の電気は完全には止まっていません。電池工業会は、車は使用していないときにもコンピュータ、時計、カーナビ、オーディオなどのバックアップ電源としてバッテリーから電気を常に取り出しており、これを「暗電流(あんでんりゅう)」と呼ぶと説明しています。

暗電流は一般的に10〜30mA、1日あたりにすると0.24〜0.72Ah程度です。1日分はわずかでも、走って充電する機会がないまま何日も続くと、少しずつバッテリーの残量が減っていきます。

後付けの電装品があると減りが早くなる

最近増えているのが、ドライブレコーダーの駐車録画(駐車監視)です。トヨタも、エンジンを切って停車中に照明やオーディオ、ドライブレコーダーの駐車録画などを使い続けることを、バッテリーが上がる原因として挙げています。長く乗らない予定があるときは、駐車録画の設定を見直しておきましょう。

何日くらいで上がる?単純計算の目安

電池工業会は、エンジンの始動限界について、一般的にバッテリー容量の60〜70%程度を放電すると始動できなくなるおそれがあるとしています。この数字と暗電流の量から、何日で始動できなくなるかを単純計算してみます。

暗電流1日に使う量始動できなくなるまでの日数(目安)
10mA(少ない車)0.24Ah約100日
30mA(多い車)0.72Ah約33日
容量40Ahの満充電バッテリーが60%(24Ah)放電した時点を始動限界とした単純計算。暗電流と始動限界は電池工業会「自動車用バッテリーあがりについて」の数値。

ただし、これは満充電から計算した場合の話です。実際には、次のような車はもっと早く上がります。

  • 普段から近所の買い物など短距離が中心:走って充電する時間が短く、満充電になっていないことが多い
  • バッテリーが古い:使い始めて年数が経つほど、ためておける電気が減っていく
  • 寒い時期:低温ではバッテリーの性能が落ち、始動にも大きな力が必要になる
  • 駐車録画などの後付け電装品がある:暗電流が増える

「1か月くらいなら平気だろう」と思っていても、条件が重なれば計算より早く上がることがあります。日数はあくまで目安として、次の対策とあわせて考えてください。

長期休暇の前にできる対策

  1. 休暇の前にしっかり走っておく:GSユアサは、1〜2週間に1回、1時間以上を目安に走行して充電することを勧めています。出発前にまとまった距離を走っておくと、残量に余裕を持って休暇に入れます
  2. 室内灯・駐車録画を切っておく:ドアの半ドアやルームランプの付けっぱなしもあわせて確認します
  3. 電圧を測っておく:休暇前の時点で電圧が低ければ、充電や点検を先に済ませておけます(測り方は次の章で解説します)
  4. バッテリー充電器を使う:自宅に電源があれば、電池工業会も予防策として挙げている充電器での定期的な充電が確実です
  5. 古いバッテリーは事前に点検する:JAFは、バッテリーの寿命は一般的に2〜3年といわれるとしています。年数が経っている場合は、休暇前に一度テスターで診てもらうと安心です

アイドリングだけでは充電はあまり期待できない

「エンジンをかけておけば充電される」と考えがちですが、電池工業会は、エンジンをかけているだけでは充電量が少なく効果はあまり期待できないとしています。近年はエンジンをかけているだけでは発電しない車もあるため、走行することが最も重要だと説明しています。

マイナス端子を外す方法について

さらに長い期間、数か月単位で乗らない場合は、バッテリーのマイナス端子を外して暗電流を止める方法もあります。ただし、ナビや時計、パワーウインドウなどの設定が消えたり、再接続後に初期設定が必要になったりする車種があります。外す前に取扱説明書を確認し、不安があれば整備工場に相談してください。

電圧チェックでバッテリーの状態を知る

バッテリーの状態は、電圧を測ると数字で確かめられます。カー用品店などで手に入るテスター(電圧計)があれば、自分でも測れます。

測り方

  1. エンジンを止め、ライトやエアコンなどの電装品もすべて切る
  2. 走行直後は電圧が高めに出るため、5〜10分ほど置いてから測る
  3. テスターを直流電圧(DCV)に合わせ、赤をプラス端子、黒をマイナス端子に当てる
  4. 表示された電圧を、下の目安と比べる

工具や端子どうしを触れさせるとショートの危険があります。作業に不安がある場合は無理をせず、整備工場で測ってもらいましょう。

電圧の目安

測るとき電圧状態の目安
エンジン停止時12.4V以上正常
エンジン停止時10.5〜12.3V放電している。充電で回復が見込める(使用2〜3年以上なら早めの交換も検討)
エンジン停止時10.5V以下使用1〜2年未満なら単なる放電の可能性が高い。2〜3年以上なら劣化で交換が必要
エンジン回転時13.5〜14.7V正常(発電できている)
エンジン回転時13V未満発電量不足の可能性(オルタネーター・ベルトなどの点検を)
出典:GSユアサ「車のバッテリー電圧の目安と低下時の対処法」

参考までに、パナソニックは、満充電で車両に搭載されていない状態の電圧を約12.6〜12.8Vとしています。車に載っている状態では、使い方によって電圧は10〜15Vくらいの間で変動するとも説明しています。

電圧はあくまで目安です。充電しても電圧がすぐに下がる、あるいは数値は正常でもセルモーターの回りが重いといった場合は、始動に必要な力まで測れる専用テスターでの点検をおすすめします。

ハイブリッド車も長期放置で上がる

ハイブリッド車にも、システムの始動や電装品のための「補機バッテリー」が積まれています。トヨタは、ハイブリッド車でもバッテリー上がりは起こるとし、予防の目安として2週間で合計30分以上の運転、とくに冬は2週間で合計80分を挙げています。

また、JAFによると、ハイブリッド車は構造上、ほかの車のバッテリー上がりを救援することはできません。救援を頼むときは、ガソリン車にお願いするか、ロードサービスを利用しましょう。

上がってしまったときの対処

救援車とブースターケーブルがあれば、エンジンをかけられる場合があります。JAFが案内している接続の順番は次のとおりです。

  1. 上がった車のプラス端子
  2. 救援車のプラス端子
  3. 救援車のマイナス端子
  4. 上がった車のマイナス側(端子ではなく、エンジンの金属部分など)

救援車はAT車ならパーキング、MT車ならニュートラルにしてサイドブレーキをかけ、エンジンをかけて回転を少し高めに保ちます。エンジンがかかったら、ケーブルはつないだときと逆の順番で外します。トラックは24Vで電圧が違うため、救援車には使えません。

つなぎ方に自信がないときや、ケーブルに傷みがあるときは、無理をせずロードサービスを呼んでください。なお電池工業会は、セルモーター(スターター)は回るのにエンジンがかからない場合は、バッテリーではなく車側の問題なので点検が必要だとしています。

休暇明けに確かめたいこと

無事にエンジンがかかっても、長く放置したあとのバッテリーは弱っていることがあります。JAFが挙げている次のような症状があれば、早めに点検を受けましょう。

  • エンジンをかけるとき、セルモーターの回りが弱い
  • ライトの明るさがエンジンの回転数によって変わる
  • パワーウインドウの動きが遅い
  • バッテリー本体が膨らんでいる、液が減りやすい

休暇明けはまず30分〜1時間ほど走って充電し、そのあとに電圧を測ると状態がつかみやすくなります。冬に向けたバッテリーの確認ポイントは冬の前にやっておきたい車の準備、帰省などで遠出する前の点検は長距離ドライブ前の点検チェックリストでも解説しています。

くるまやミライは羽村市で販売・買取・車検整備をワンストップで行っています。長期休暇の前後でバッテリーが気になる方は、車検・整備のご案内からお気軽にご相談ください。

よくあるご質問

Q.車に乗らないと、バッテリーは何日で上がりますか?

車の暗電流とバッテリーの状態によって変わります。電池工業会の数値をもとに満充電の40Ahバッテリーで単純計算すると、約1〜3か月が目安です。ただし短距離中心の使い方で充電が足りていない車や、古いバッテリー、寒い時期は、それより早く上がることがあります。

Q.エンジンをかけてアイドリングしておけば充電できますか?

効果はあまり期待できません。電池工業会は、エンジンをかけているだけでは充電量が少ないとしています。近年はアイドリングだけでは発電しない車もあるため、充電するには実際に走ることが大切です。

Q.バッテリーの電圧はいくつなら大丈夫ですか?

GSユアサの目安では、エンジンを止めた状態で12.4V以上なら正常です。10.5〜12.3Vは放電している状態で、充電で回復が見込めます。走行直後は高めに出るため、5〜10分ほど置いてから測ってください。

Q.長く乗らないときはマイナス端子を外したほうがいいですか?

数か月単位で乗らない場合は有効な方法です。ただし、ナビや時計などの設定が消えたり、再接続後に初期設定が必要になったりする車種があります。外す前に取扱説明書を確認し、不安があれば整備工場に相談してください。

Q.ハイブリッド車もバッテリーは上がりますか?

上がります。トヨタは、ハイブリッド車でも補機バッテリーや駆動用バッテリーは長期間放置すると上がるおそれがあるとし、2週間で合計30分以上(冬は合計80分)の運転を目安に挙げています。

まとめ

  • 乗っていなくても、ナビや時計などのバックアップに電気が使われ続ける(暗電流)
  • 単純計算では1〜3か月が目安。短距離中心・古いバッテリー・寒さが重なると早まる
  • 休暇前にしっかり走っておく、駐車録画を切る、電圧を測っておくのが有効
  • エンジン停止時の電圧は12.4V以上が正常の目安(GSユアサ)
  • アイドリングだけでは充電はあまり期待できない。上がったら正しい順番で救援を

長期休暇の前の数分のチェックで、休暇明けの「エンジンがかからない」はかなり防げます。電圧を一度測っておくだけでも、バッテリーの状態がぐっと分かりやすくなります。

参考資料

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